犬の細菌性膀胱炎




犬の細菌性膀胱炎とは

膀胱は、伸縮性に富んだ袋のような臓器です。

腎臓でつくられた尿は、尿管から膀胱へと運ばれますが、膀胱は尿を一時的に貯めておく役割をもちます。

膀胱に尿が十分に貯まると尿意が引き起こされ、膀胱の収縮によって尿道から体外へと尿が放出されます。

この膀胱内に細菌が感染・増殖したものを細菌性膀胱炎といいます。

細菌が感染する経路としては、①尿道から細菌が侵入し、膀胱に感染する場合と、②身体の他の部位に感染していた細菌が膀胱へと移行する場合とがあります。

①の尿道から細菌が侵入するケースでは、尿道が短い雌で発生が多いといわれています。

膀胱に侵入するいかなる細菌も膀胱炎の原因となるといわれていますが、消化管内に常在する細菌が多いと言われています。

これは肛門からの排泄物によって汚れてしまうケースが多いからと考えられます。

犬の細菌性膀胱炎の臨床徴候は?

細菌性膀胱炎の臨床徴候は、原因となる細菌、感染からの時間およびわんちゃんの免疫力などによって異なります。

臨床徴候がほとんどみられない潜在的なものから、激しい臨床徴候がみられるものまで様々です。

細菌性膀胱炎の主な徴候には、

頻尿(少量ずつ頻回のおしっこ)

おしっこ時の痛み

血尿(血が混じり赤みがかった尿)

おしっこが混濁して腐敗臭がする

といったものが挙げられます。

また、一般的には全身性の徴候を示すことは少ないですが、尿管や腎臓の方まで感染が波及すると発熱や元気がなくなるといった徴候がみられることもあります。

余談ですが、北海道をはじめとする雪国では、冬になると細菌性膀胱炎で来院するわんちゃんが多くなると言われています。

それは、散歩時に雪の上でおしっこをすると、尿の色が見やすいため、混濁した尿や血尿を発見しやすいからです。

犬の細菌性膀胱炎の診断

細菌性膀胱炎の診断は、上述の臨床徴候に加え、血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査によって行われます。

膀胱炎の臨床徴候は、尿石症やがんとも共通する部分があるので、これらを除外することが重要となります。

血液検査では、全身性の徴候が見られない場合には異常値を示すことは少ないとされています。

尿検査で細菌の有無を調べますが、細菌が確認できると細菌性膀胱炎であると判断できます。同時にpHや尿タンパク、尿結晶やがん細胞などの有無を確認し、その他の併発する疾患を調べます。

また、採尿した尿を細菌培養することによって、感染した細菌を同定することができます。

細菌を同定することでより有効性の高い抗生剤を選択することができます。

レントゲン検査では、細菌の感染を確認することはできませんが、臨床徴候が類似する尿結石を除外するために有用な検査となります。

超音波検査では、尿が混濁している様子が確認できるため、これによっても感染を疑うことができます。また、結石やがんの有無を確認することができます。




犬の細菌性膀胱炎の治療

細菌性膀胱炎の治療は、基本的に抗生剤の投与によって行います。

細菌培養によって同定された原因菌に有効な抗生剤を選択することが重要となります。

しかし、細菌培養は外部の検査機関で実施されるため、費用が高くなります。

そのため、細菌培養をせず、はじめから様々な細菌に有効な抗生剤(抗菌スペクトルが広い抗生剤)を選択する動物病院も多いでしょう。

(ただし、そういった抗生剤ばかり使っていると、それらに耐性を持った細菌が出現する可能性があるため、あまり好ましくはありません)

犬の細菌性膀胱炎の予防と対策

細菌性膀胱炎の予防としては、尿道からの感染を防ぐことが重要です。

特に、うんちなどが毛などについてしまった場合には、それが感染の原因になり得るため、清潔に保つように心がけましょう。

また、飲水量が減ると、尿が濃縮したり、排尿の回数が減り、細菌にとって都合がよい環境となってしまいます。

そのため、水がなくならないように注意しましょう。

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また、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)をはじめとした病気では、わんちゃんの免疫力が低下するため、様々な感染のリスクが上がります。

そのような合併症がある場合には、全身性の臨床徴候が見られる場合もあります。

上述の臨床徴候がみられたら、早期に動物病院に診てもらいましょう。





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