犬の甲状腺腫瘍




甲状腺の病気

甲状腺は、喉の付近にある臓器で、甲状腺ホルモンとカルシトニンという物質をつくる働きを持ちます。

甲状腺ホルモンは、全身の代謝活動を促進する役割を持ち、カルシトニンは血中のカルシウム濃度の調節に関わる物質です。

甲状腺の病気には、わんちゃんでは甲状腺機能低下症、ねこちゃんでは甲状腺機能亢進症と呼ばれる病気があります。

甲状腺機能低下症では、代謝が下がるため肥満傾向になりやすく、甲状腺機能亢進症では、逆に痩せやすいといった臨床徴候がみられます。

犬の甲状腺の病気というと甲状腺機能低下症をよく耳にしますが、甲状腺に発生する腫瘍があります。

ここでは、犬の甲状腺腫瘍について説明していきます。

犬の甲状腺腫瘍の概要

発生頻度は比較的稀ですが、甲状腺にも腫瘍(=できもの)が発生します。

9歳から11歳での発生が多いとされてはいますが、どの年齢でも発生する可能性はあります。

良性のものと悪性のものがあり、9割程度が悪性と報告されています。

そして、転移が比較的高頻度に起こるといわれています。

犬の甲状腺腫瘍の診断

甲状腺腫瘍の診断は、以下の検査の中から適宜組み合わせて行います。

  • 触診:甲状腺自体を触って、しこりの大きさ、硬さ、動くかどうかなどを調べます。
  • 血液検査:他の併発疾患はないか、炎症があるかどうか、甲状腺の機能が異常でないかなどを調べます。
  • レントゲン検査:肺の転移があるかどうか、他の疾患はないかを調べます。
  • 超音波検査:甲状腺の形、構造、血管の量などを調べます。
  • CT検査:肺の転移があるかどうか、他の疾患はないかを調べます。レントゲン検査よりも小さい転移を見つけることができます。
  • 細胞診検査:しこりに針をさして、細胞の形態をみます。確実には言えませんが、悪いものか良いものかを判断する一つの指標になります。

犬の甲状腺腫瘍の治療

犬の甲状腺腫瘍は、主に三つの方法によって行われます。

  • 外科手術:甲状腺腫瘍を手術によって取り除く方法です。早期に発見し、進行があまりしていないがんでは、外科手術が効果的であるとされます。
  • 放射線治療:甲状腺腫瘍の細胞を放射線によって倒す方法です。外科手術ができない場合や、外科手術だけでは取りきれない場合に単独あるいは併用して行います。
  • 内科療法:転移している場合や、外科手術や放射線治療ができない場合に行います。抗がん剤や分子標的薬と呼ばれる薬を使用します。

犬の甲状腺腫瘍の予防

残念ながら、甲状腺腫瘍は比較的発生も珍しいことから、発生する原因などについてはあまり明らかになっていません。

しかし、できるだけ小さいとき、しこりが手で動かせるときでは外科手術による治療の効果が高いといわれています。

※手で動かせるかどうかは、自分ではやらないでください。獣医師さんに診てもらいましょう。

がん治療に基本は、早期発見早期治療です。

定期的に身体全体を触って、しこりがないかチェックしてみましょう。

首の付近にしこりがあった場合には、もしかしたら甲状腺腫瘍の可能性もあります。

※甲状腺の大まかな場所は、こちらを参考にしてください。

子犬のへや(犬の甲状腺機能低下症)

 

しこりがある場合には、なるべく早く動物病院で診てもらうと良いでしょう。

 

 

 

 

 

 




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