お水を飲みすぎる・おしっこが多すぎる時に考えられる病気




飲水量と尿量の基準

一般的に、犬が1日に飲む水の量は多くても体重1kgあたり60~90mLといわれています。

猫では、多くても1kgあたり45mLといわれています。

この基準を超えて、水を飲む場合、多飲(水を飲みすぎる状態)と診断されます。

飲水量は、高気温、運動量、食事中の水分の含有量、年齢、妊娠など病気以外の原因によって大きく変動します。

一方、犬と猫の1日のおしっこの量は、体重1kgあたり26~44mLといわれています。

この基準を超えて、おしっこをする場合、多尿(おしっこが多すぎる状態)と診断されます。

多飲多尿とは

上記で示した飲水量および尿量が超えている場合、多飲多尿と呼ばれます。

多飲多尿の状態が続いている場合は、何らかの疾患が疑われます。

多くの場合、おしっこがたくさん出てしまう病気を患っていて、その結果脱水状態となって水をたくさん飲むという状態になっています。

多飲多尿を引き起こす原因

多飲多尿が継続的にみられる場合、何かしらの病気がある可能性が高いです。

多飲多尿を引き起こす原因には、以下の病気が考えられます。

メジャーな病気については、簡単な解説を添えてあります。

慢性腎臓病

腎臓に慢性的に病変が存在し、徐々に腎臓の機能が低下していく病気です。

基本的に、腎臓の機能は回復しないため、早期診断早期治療が重要となります。

臨床徴候、血液検査(BUN, Cre, SDMAの測定等)、各種画像検査(レントゲン検査、エコー検査等)によって診断されます。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎は、腎臓の近くにある臓器です。

この臓器は、コルチゾールと呼ばれるホルモンを産生しますが、このコルチゾールが過剰産生されると多飲多尿を引き起こします。

副腎皮質機能更新症(クッシング症候群)は、多飲多尿以外にも、脱毛、多食、お腹が膨れるなどといった臨床徴候も示します。

糖尿病

糖尿病は、犬でも猫でもよくみられる疾患です。

血液中の糖の濃度が高くなっている状態で、おしっこにも糖が出てきます。

適切に治療を行わないと、高血糖(血液中の糖濃度の増加)によって様々な病態が引き起こされ、命の危険があります。

診断は、血液検査によって行い、インスリン注射などによって血糖値(血液中の糖濃度)をコントロールします。

甲状腺機能亢進症

猫でよくみられる疾患です。

甲状腺と呼ばれる臓器は、首の付近に存在する臓器で、甲状腺ホルモンを産生します。

甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活発にさせる作用をもちます。

甲状腺ホルモンが過剰産生されることによって、代謝が異常に亢進してしまう病気です。

体重の減少、脱毛、多食、嘔吐などの臨床徴候もみられます。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、避妊をしていない動物でみられます。

子宮の中に膿みが貯まってしまう病気です。

すぐに治療をしないと死に至るケースも少なくありません。

一般的には外科手術で子宮をとることによって治療を行います。

避妊をすることにより子宮蓄膿症の発生を予防できます。

その他

  • 尿路閉塞解除後の利尿
  • 高カルシウム血症
  • 肝臓疾患
  • 腎盂腎炎
  • 副腎皮質機能低下症
  • 低カリウム血症
  • 急性腎不全の利尿期
  • 部分的な尿路閉塞
  • 医薬品
  • 塩分の過剰摂取
  • 過剰な輸液
  • 中枢性尿崩症
  • 腎性尿崩症
  • 心因性多飲症
  • 腎性糖尿
  • 原発性上皮小体機能低下症
  • 先端巨大症
  • 赤血球増多症
  • 多発性骨髄腫

 

注意点

お水をたくさん飲みますが、飲ませるお水の量は制限しないでください。

多くの場合、おしっこがたくさん出てしまい、脱水となるためにお水を飲んでいます。

飲ませるお水の量を制限すると脱水となり、危険な状態になります。

※お水の量を制限する疾患もわずかにありますので、基本的に動物病院の指示に従ってください。

また、普段からお水を飲む量やおしっこの量をある程度把握しておくことをおすすめします。

お水の量は、500mlペットボトルで測定してからあげてみて、1日何本分(半分、2本分など)飲んでいるかをチェックしてみてください。

おしっこの量は、ペットシーツの重さを量ってみてください。

大体1gは1mlなので、それでおしっこの量を大まかに計算できます。

もし飲水量や尿量が分かったとしても、トイレに行った回数を数えることによって変化には気付けると思います。

多飲多尿が疑われた場合、何かしらの病気を疑うため、動物病院に行くことを推奨します。




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