猫エイズはウイルスの病気?FIVとは?

FIVとは、Feline immunodeficiency virusのことです。

ウイルスとしては、レトロウイルス科レンチウイルス属と呼ばれる属に属します。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とは異なり、必ずしも重度の免疫不全状態である、後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症しないことがわかっています。

むしろ多くの個体は適切な管理下であれば、FIVに感染していない猫と同等の寿命を得られる可能性が知られています。。

FIVってどれくらいの猫がかかっているの?

世界で5-30%の猫で感染が確認されています。

特に感染が多い猫の特徴として、成猫、雄、外飼、雑種が報告されています。

上記の特徴に該当する猫は、外で喧嘩などをしてしまいFIVに感染する機会が高いと考えられています。

FIVってどのように感染するの?

主に、感染猫と喧嘩している時にできた切り傷や咬傷による血液や体液の接触によって感染します。

FIVと同様に猫で有名なウイルスである、猫白血病ウイルス(FeLV)とは異なり、同居猫に感染が広がることはまれです。(喧嘩などしなければ、ですが)

例えば、グルーミングや同じ食器を使うだけ、などでは感染のリスクはほぼないとされています。

また、母猫から子猫への生まれつきの感染はまれに認められるそうです。

※一般に、FIVウイルスは外界の乾燥した環境ではすぐ感染力を無くし、一般的な清掃で十分除去できる、とされています。

FIVにかかるとどうなるの?症状について

FIV感染猫の病期は、感染後すぐのprimary stage, 症状を出さないasymptomatic stage, 症状が進行し病気としてわかるsecond stageに分けられます。

このsecond stageにおいては人のHIVにおけるAIDSの様な症状を示す場合もあります。

しかし、second stageに移行せず、asymptomatic stageのまま一生を終えられる猫ちゃんも多くいます。

また、second stageではエイズ関連症候群と呼ばれる、口内炎や鼻風邪、下痢や発熱など、感染に対して正常に応答できない状況も含まれます。

FIVにかかったかどうか、どうやったら診断できるの?

最も一般的な検査はFIVに対する抗体を検出する検査です。

これは多くの動物病院で実施可能であり、短時間で結果がわかるメリットがあります。

また、検査の感度(FIVに感染している子を、陽性と判断できる割合)、特異度(FIVに感染していない子を陽性と判断しない割合)ともに高く、信頼できる方法でもあります。

ただ、FIVに対するワクチンを打った後や生後間もない時などには正しく診断できない場合もあるので、獣医参とご相談ください。

FIVに感染したらリンパ腫になるの?

FeLVの場合には、感染していない子と比較し、リンパ腫などの血液疾患を発症する可能性が60倍ほどに上昇するとされています。

一方でFIVの場合には、その可能性は5-6倍とFeLVの場合程は高くないことがわかっています。

FIVに感染していてもあまり気にしなくても良いということ?

FIVに感染していることにより、免疫不全の状態になるリスクが高いことは確かです。

なので、基本的には清潔な家の中で飼育してあげることが大切です。

また、他の猫さんにうつしてしまう可能性を低くするためにも一人で飼ってあげることも大事です。

定期的に獣医さんに見てもらい、なにかの病気の兆候がないかどうかを確認し、様子がおかしい場合には早めに獣医さんを受診してください。

FIVは治せないの?

今の所、FIVに対する特効薬はありません。

予防として、FIVに対するワクチンがありますが、これも確実に予防できるかについてはあきらかになっていません。

また、免疫状態を引き上げる効果があるとされるインターフェロン製剤もありますが、この効果についても確実なものではなく、獣医さんと相談しながら使用する必要があります。

参考文献

Textbook of veterinary internal medicine 8th edition