現在、7歳になる犬を飼っているのですが、健康診断に行った方がいいのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。健康診断については、飼い主様自身の考え方にもよりますが、私は行った方がよいと思います。現在7歳ということですので、人間でいうと40-50歳くらいの年齢になります。このくらいの歳になると、何らかの病気が隠れていることも少なくありません。
確かに、人間でも40歳を超えると健康診断を受けていない人は少ないですよね。どういった病気が隠れていることが多いんでしょうか。
ている病気は様々です。ある保険会社が行った大規模な調査では、犬の死亡原因として多い病気は、がん、心臓病、腎臓病であると報告されていました。私の経験上でも、中高齢のわんちゃんではそういった病気を持っている子は多いと感じています。
そうなんですね。どれも怖そうな病気ですね。これらの病気は治すことができるのでしょうか。
がんに関しては、手術によって完全に取り切れれば完治することがありますが、進行している場合や悪いがんでは治せないことが多々あります。心臓病や腎臓病も進行性であるとされていて、完全に治すことはできません。しかし、いずれの病気も進行を抑えることは可能です。特に、早期に発見して治療を開始すれば、健康寿命を延ばすことができるといえます。健康診断は、これらの病気の早期発見のために重要であると考えています。
分かりました。健康診断は受けた方がよさそうですね。頻度はどれくらいがよいでしょうか。
頻度に関してですが、わんちゃんの1年が人間の4-7年に相当するといわれていますので、中高齢のわんちゃんでしたら、少なくとも1年に1回程度は受けた方が良いと考えています。ただ、飼い主さんの考え方や金銭的な余裕も関係してきますので、そういったことをふまえて決めて頂ければと思います。
分かりました。定期的に健康診断を受けるようにしようと思います。ご丁寧に回答してくださり、ありがとうございました。
【経歴】
北海道大学獣医学部卒、東京大学獣医外科研究室博士課程
米国ペンシルバニア大学 客員研究員
【所属学会・資格等】
Veterinary Cancer Society (獣医がん学会)
【得意分野】
腫瘍学、免疫学